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古いPCをタダで最新OS搭載PCとして復活させる方法
皆さん、パソコンはだいたい何年くらいで買い替えていますか? 内閣府の調査によれば、平均使用年数は6.8年だそうです。買ってから7年が経つと、動作が遅くなったり、OSのサポートが終了したり、使用に支障をきたすケースが増えてくるため、皆さん買い替えを決断されるようです。また、会計上の減価償却でもPCの耐用年数は4年となっています。
こうしてお役御免になったPCですが、もう一度最新のOSを搭載したPCとして復活させることができたら素晴らしいと思いませんか? じつは、そんな夢のようなことが可能なんです。
Google が無料で提供している ChromeOS Flex
それが、2022年7月15日に Google が提供を開始した「ChromeOS Flex」です。これは、古いWindowsやMacにインストールすることで、「ほぼ」Chromebook として使うことのできる無料のOSなのです。
ChromeOS は、Google が設計したOSで、このOSを搭載したPCは Chromebook と呼ばれます。最近は家電量販店などでもコーナーを設けて展示されることが多くなりました。
特長としては…
- 電源オンから10秒以内に起動する軽量な設計
- アプリは基本的にChrome ブラウザ上で立ち上げるため、インストール不要
- データは基本的にクラウドに保存されるため、バックアップ不要
- 「多層防御」の原則に基づく高いセキュリティ
このようなものが挙げられます。
2019年から始まった全国小中学校での1人1台端末整備の「GIGAスクール構想」でも、ChromeOS のシェアは4割を超え、WindowsやiPadを抜いて最も多く導入されたことは記憶に新しいですね。
この ChromeOS をさまざまなPCに自由にインストールできるようにパッケージ化したものが ChromeOS Flex です。
ChromeOS Flex の公式サイト
Google では、この ChromeOS Flex が正常に動作するかを、さまざまなPCで定期的にテストしています。一覧が認定モデルリストにまとめられています。
このリストを見ると、たとえばMicrosoftのSurfaceでは2014年に発売されたSurface Pro 3が、Macでは2010年に発売されたMacBookがリストに掲載されています。どれも一昔前のPCですが、ChromeOS Flex をインストールすることで、最新OS搭載のPCとしてもうひと頑張りしてもらうことができるのです。
基本的には、IntelまたはAMDの64bit CPUを搭載しており、メモリは4GB、ストレージが16 GBあれば要件的に問題ありません。公式ヘルプにも、「ChromeOS Flex は、過去10年以上にわたって製造されたほとんどのWindows、Mac、Linuxデバイスでご利用いただけます」と自信を持って明記されています。
外部のUSBメモリから直接起動させることも可能
Chrome ブラウザの拡張機能「Chromebook リカバリ ユーティリティ」
インストールを行なうには、まず、今お使いの Chrome ブラウザに拡張機能「Chromebook リカバリ ユーティリティ」を追加し、その後リカバリメディアを作成します。「リカバリーメディア」とは、文字通りリカバリー(復元・初期化)を行うためのデータを収録しておくメディアのことです。[始める]をクリックしたら、指示に従ってUSBメモリ、またはSDカードに、Chromebook リカバリ ユーティリティをダウンロードして作成しましょう。
リカバリ メディアの作成画面
このインストーラーを、復活させたいPCに挿し込むことで ChromeOS Flex をインストールすることができます。
なお、ChromeOS Flex は軽量のため、PCにインストールしなくても、USBメモリやSDカードから直接起動することも可能です。正常に動作するかを確認する意味でも、まずは外部メディアからの起動を試してみるとよいでしょう。
使える機能と使えない機能に注意!
冒頭で「ほぼ」Chromebook として使える、と書きましたが、最初から100% Chromebook として設計されたPCではないので、ChromeOS Flex にはいくつかの機能制限があることには注意が必要です。
たとえば、指紋リーダー、赤外線(IR)カメラ、顔認識カメラ、Bluetooth、タッチディスプレイ、最近は使う機会が減りましたがCD/DVDドライブなどは動作しない可能性があるので注意が必要です。
通常の Chromebook では使用できる Google Play ストア とAndroidアプリも残念ながらサポートしていません。
また、キーボードの配置もWindows、Mac、Chromebook で少しずつ異なるので、一部のショートカットやファンクションキーが機能しない場合があります。
ただし、認定モデルリストに掲載されたPCでは、音声の入出力、Wi-Fiなどのネットワーク、タッチパッド、キーボード、USBコネクタなどの基本的なデバイスは動作することが保証されています。
PCを長く使い続けることはエコにもつながる
こうして ChromeOS Flex をインストールして復活したPCですが、Gmail を送受信したり、Chrome ブラウザでウェブサイトを閲覧したり、YouTubeで動画を視聴したり、といった日常的な作業に関してはまったく支障はありません。
ChromeOS はほぼ毎週最新のバージョンにアップデートされますが、PCを使用している間に新しいバージョンをダウンロードしておき、再起動時に新しいバージョンを適用する仕組みのため、他のOSでありがちなシャットダウン前にいきなりシステムの更新が始まり、机の前に数十分拘束されるようなストレスも皆無です。
そして何よりPCを長く使い続けることは、環境負荷を減らすことにもつながります。夏休みのこの機会に、押入れの中に眠っているPCに ChromeOS Flex をインストールし、再活用してみてはいかがでしょうか。
2 身代金要求型のコンピューターウイルスから99.9%身を守る方法
2022年2月末から、トヨタ自動車系列の取引先部品メーカーやデンソーなどが相次いでサイバー攻撃に見舞われ、脅迫を受けました。
あなたの会社の情報セキュリティは万全ですか?
トヨタ自動車は、3月1日、たった一社のシステム障害によって国内すべての工場(14工場28ライン)の稼働停止を余儀なくされました。サイバー攻撃が巨大供給網上の新たなリスクとなることが浮き彫りとなったかたちです。
また、NHKの報道によれば、インターネット上の闇サイトにデンソーの機密情報を盗んで公開するという声明を公表したのは犯罪グループ「パンドラ」で、声明では発注書やメール、図面など15万7000件以上、1.4テラバイトのデータを盗んだということです。たった一通のメールから破壊的な影響力が発揮された実例です。
今回の身代金要求型のコンピューターウイルスによるサイバー攻撃は「ランサムウェア」と呼ばれています。電子メールの添付ファイルにウイルスを仕込み、開封するとダウンロードされてしまうケースが多数を占めているようです。
新型コロナ禍に伴うテレワークの拡大によって被害は急増しています。「令和3年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」によると、テレワークをきっかけとする感染がなんと合計の8割近くを占めていました。
このウイルスに感染すると、最終的に業務上のデータが暗号化され、同時に送金や暗号資産(仮想通貨)などの支払いを要求するメッセージが表示されます。しかし、警視庁では「身代金を支払ってもデータを取り戻せる保証はないため、絶対に支払わないでください」と注意を呼びかけています。
バックアップの作成またはセキュリティソフトの適用をしていない限り、多くの場合、解決策はほとんどありません。予防対策が重要です。最近ではデンソーのように盗んだ情報で取引先や社会にリークするぞ、などと二重に脅迫されるケースも増えています。
もし自社がそんな脅威にさらされたら…と少し想像するだけでも恐怖を感じますよね。
ただ「狙われるのは、デンソーのような大企業でしょ。標的型攻撃が増えているんでしょ?」とは、考えないほうがいいでしょう。「うちの会社はたぶん狙われないよ」などと油断せず、きちんと今から対策を検討し実施しておきましょう。被害にあった部品メーカーをトヨタの関連会社とわかって攻撃したかどうか判断するのは難しいですし、今回トヨタが影響を受けたことがわかった時点で、犯人たちが身代金をつり上げた可能性もあります。
一個人としても予防対策しておくべきです。Google の調査によれば、55~64歳が攻撃を受ける確率は、18~24歳と比較して1.64倍高いことが判明しています。備えあれば患いなし。やるべきことをやっておきさえすれば、ランサムウェアの被害者になることを回避できます。
具体的にオススメするのはやっぱり Google です!
Gmail を使うだけで、99.9%以上のスパムを除去してくれることを、あなたはもうご存じでしたか? すでに600万社が活用していますが、これまでランサムウェアの被害にあった会社は一つもありません。
攻撃の多くは、単純な電子メールから始まりますが、Gmail はこういったメールを受信トレイに届く前に自動でブロックし、大切な情報を守ってくれます。もう毎日迷惑メールを削除する作業は一切不要です。
それにしても、一体なぜ99.9%以上の精度でブロックできるのでしょうか?
答えは、Google のAIを活用した複数の保護機能を組み合わせる「多層防御」のおかげです。特に毎週3000億を超える添付ファイルを処理する「マルウェアスキャナー」によって、1分あたり1000万通近い迷惑メールがブロックされています。ブロックされた悪意あるドキュメントのうち63%が毎日変化しているとのこと。想像以上のスピードで進化する脅威に対し、私たちが知らないところで最先端の技術で対処してもらっているわけです。
どうやって Gmail がマルウェアを検知しているかというと、下図のイメージです。
画像出典:Google セキュリティブログ(February 25, 2020)
ポリシーエンジンでウイルス対策ポリシー(方針)を設定してスキャン(精査)、ユーザーにメールを届けるか届けないを意思決定するフィルタ機能が機能している様子が、イラストからわかりますね。毎日10億通以上のメールを取り扱う Gmail だからこそ、収集できたビッグデータを解析、学習し、日々進化する脅威に先んじる予測能力が高くなるのです。
Gmail は Microsoft Outlook、Apple Mail、Mozilla Thunderbird などの他のメールソフトともスムーズに連携します。連絡先や予定も同期できます。
もちろんランサムウェアやその他数多くの脅威から確実に身を守るためには、Gmail だけでなく他にも複数の防御層が必要です。
Google を使っている人は、セキュリティ診断を定期的に実施して身を守りましょう。
さらに、Google Chrome で、セーフ ブラウジング保護強化機能の設定を有効にしておきましょう。危険なウェブサイトやウェブ上でのダウンロードに対する防御を大幅に強化します。こちらのリンクをクリックするとセーフブラウジングの効果を確認できます。
他にも情報セキュリティ対策のヒントを紹介している Google セーフセンターのサイトはこちらです。
Google の情報セキュリティに関する取り組みや考え方は、あなた自身の仕事やプライベートにも大いに役に立ち、守ってくれるはず。
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2022.05.23
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