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『【9割の人が知らない Google の使い方】個人利用からレベルアップ! 組織全体で生産性が飛躍的に向上する10X活用を始める方法』
デジタルツールの活用は現代のビジネスにおいて必須となり、多くの皆さんが Gmail や Google フォーム などの Google のサービスを効果的に活用されていることでしょう。
しかし、これらを個人として利用するのと多種多様なアプリを一体的に連携させて組織として使うのとでは、その効果は雲泥の差です。
あなたも、組織全体の生産性を大幅に向上させる一歩を踏み出してみませんか?
この記事では、Google の各サービスを組織の全メンバーで活用し、その効果が何倍にも増大する Google Workspace の始め方と無償版と有償版の違いについてご紹介します。
◎Google Workspace を組織で使うと何が良いのか?
Google Workspace は、Google が提供するクラウドベースの生産性向上グループウェアです。以前は G Suite(ジースイート)と呼ばれていました。
Google Workspace には、Gmail(メール)、Google ドライブ(クラウドストレージ)、Google ドキュメント(文書作成)、 Google スプレッドシート(表計算)、スライド(プレゼンテーション)、Google カレンダー(スケジュール管理)など各種アプリが一式含まれています。
つまり、Google Workspace を採用すると、なんと20種類近くのクラウドツールが1つの組織アカウントで安全に使える環境が整うというわけです。
みなさんは、今、ZoomやChatWork、Lineworks、Dropboxなどなど数多くのデジタルツールを目的に応じて使い分けていませんか?
これらのサービスと同様の機能を持つアプリが、Google Workspace にも揃っています。操作に慣れるまで少し時間はかかるかもしれませんが、Google でクラウド上の情報を統合することによってすべてがシンプルに一元管理され、データ連携や検索で過去に作成したデータを関係者全員で再利用しやすくなるため、より効率的に作業を行うことが可能となります。情報の流れを自動化することもカンタンです。
例えば、こんな具合です。

つまり、時間や場所の制約を受けず、リアルタイムで必要な相手や情報といつでも安全につながることができる環境(100%クラウド)が整備されるのです。
さらに、Google Workspace は組織に特化した機能も提供します。たとえば、組織全体でのデータ管理やセキュリティ設定、ユーザーアカウントの管理などを一元的に行える「管理コンソール」が利用できます。これにより、組織は情報の所有権や共有ルールを自分たちで設定、実装でき、組織全体の生産性やセキュリティを向上させることが可能です。
簡単に言えば、Google Workspace は「Google の製品とサービスを連携させ、組織全体での作業効率とコラボレーションを向上させるための安全なプラットフォーム」です。
◎Google Workspace の始め方
Google Workspace の導入は、以下の手順で行います。
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Google Workspace の公式サイトにアクセスし、無料トライアルを開始します。
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トライアル開始後、お持ちのドメインを使用して Google Workspace を設定します。
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ユーザー(従業員やメンバー)を追加します。
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必要に応じて各種設定を行い、Google Workspace の全てのサービスを活用できるようにします。
◎Google の組織活用を成功させるコツとは?
さて、Google Workspace を始めるにあたって重要なのが、組織としてのアカウントの取り扱い方です。現状では、組織内で一つのアカウントを使い回すのが常態化しているかもしれません。しかし、実はこの使い方ではセキュリティに問題があるばかりか、せっかくの利便性も半減します。
クラウド時代の新常識は、一人1つのアカウントを全社員に付与することです。
安全性と利便性を両立し、生産性を劇的に向上させることが可能となります。
コストはかかりますが、自動車に1台1台保険をかけるのと同じです。
次に、組織として Google アカウントの10X活用を成功させる秘訣をご紹介します。
ポイントは、以下の3つです。順番に進めていきましょう。
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まず10X目標を立て、全社で共有します。情報共有に関連する現状の課題を書き出し、1年後、3年後までに何をどの程度解決させるのか、具体的に言語化します。続いて「理想の未来」から逆算した成功のプロセスを3ヶ月毎に設定します。
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次に社内でデジタルツールをどう使えば良いのかを学び、実践する推進リーダー(10Xリーダー)を決めましょう。部署ごとに1名を任命すると加速します。
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最後は、デジタルツールを使う際の組織のルールについてです。最初は10Xリーダーが決め、3ヶ月毎に全社員で見直していくと決めると良いでしょう。
個人で使うのと異なり、組織で10X活用を成功させるには、まず全員にビジョン(どうなりたいのかという具体的なイメージ)を示す必要があります。そして、そのビジョンを誰がいつどのように達成するのかを決め、共有することが重要です。また、実際に運用が始まると、使い始める前には想定していなかったいろいろな問題が発見されます。これを乗り越えるためのリーダーの任命と柔軟なルール決めが成否を分けるのです。
例えば、Google チャットでの情報共有は非常に便利ですが、誰がいつ見たのか、あるいは見ていないのかがわかりません。そこで、確認したら必ず絵文字でリアクションする、などの細かいルールを現場のメンバー間で決めておくわけです。
こうしたルールを関係者全員で周知徹底することで、情報共有のスピードと頻度が上がり、ストレスが激減します。これが組織全体の生産性を劇的に向上させる要素となります。そして、こういった問題にいち早く気づき、対応する現場のリーダーがいるかいないかでDX推進スピードがまったく変わってきます。
◎有償版と無償版の違い
最後に、無償版と有償版の違いについて詳しく見ていきましょう。
Google のセキュリティは無料でも業界最高水準です。
セキュリティが気になる方はこちらの公式サイトを是非一度ご覧になってください。安心して使うことができます。
「無料でも安心」なのに、なぜ有償版が存在するのでしょうか?
それは「組織」で利用すると、より複雑で高度な管理を実現するための機能と、ビジネスの機密を守るためのより高度なセキュリティ設定の機能が必ず追加で必要となるためです。
Google において、無償版サービスは「個人」での利用が前提となっています。つまり、情報を誰にどこまで共有するかや、そもそもの情報という知的財産の所有権は、アカウントを保有する個人に委ねられています。
一方、有償版では、情報の所有権は「組織」となります。また、企業や組織毎に異なるセキュリティポリシーに柔軟に対応可能な情報管理の仕組みや、セキュリティを一元的に効率よく管理運営できるツールが提供されています。これは「管理コンソール」と呼ばれ、無償版では提供されません。
ビジネス情報を扱うのならば、例え個人事業主でも、やはり有償版がオススメです。サービスの稼働が99.9%保証され、個別対応してくれるサポートもあるからです。
他にも具体的な違いは以下のとおりとなります。
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ストレージ容量:無償版は15GBまで、有償版は1アカウントあたり少なくとも30GB~(Business Standardは2TB)。またライセンス数分のストレージを組織全体で利用可能。
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サポート:有償版では Google によるオンライン日本語サポートが利用可能
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セキュリティ:有償版では500を超えるセキュリティポリシーの設定が可能。
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アプリの利用:有償版では特定の機能(例えば Google Meet の録画やブレイクアウトセッション等の高度な機能)が利用可能
組織としての利用を考えると、特にセキュリティ面やサポート、ストレージ容量などは重要な要素になるため、各種サービスを Google に統合することによって、結果的に情報管理にかかるコスパとタイパの両面でメリットを出せる場合もあります。
組織のセキュリティとコンプライアンスを向上させつつ、手間とストレスを減らすことができるでしょう。
実際、Google Workspace を採用するだけで、クラウド時代のセキュリティ新常識、ゼロトラストに対応し、世界トップクラスで管理することが可能です。
今後、DXの進行は組織の成長にますます直結していきます。
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